10 
東海障害者歯科臨床研究会
総会および学術大会の報告



                            
       

         ご挨拶

                    第10回東海障害者歯科臨床研究会 
                           大 会 長:服部 清

 去る7月2日に開催された第10回東海障害者歯科臨床研究会におきましては、午前中120名、午後113名にご参加いただき、誠にありがとうございました。
今回は、午前中の認定医研修会と午後の学術大会を一つの流れとして位置付けて、
「大規模災害における障がい者への支援」のテーマに沿ってプログラムを企画しました。午前中は第8回認定研修会として石巻市雄勝歯科診療所 所長の河瀬聡一朗先生に講師をお願いし「大規模災害における歯科医療従事者の心構え」についてご講演いただき、午後は、「我々は誰とつながればいいのか 何をすればいいのか」について指定発言および総合討論という形式をとらせていただきました。

指定発言者には自治体の視点として静岡市行政の医療救護担当者、支援者の視点として静岡県立短期大学部社会福祉学会准教授、家族の視点で静岡市障害者協会会長にご登壇いただき、歯科医療従事者へ期待すること等についてご教示いただきました。日常での診療の時から情報収集や連携構築を行い、その情報を災害時に有効利用できるようにしなければならないことや我々が被災する立場になることを意識して受援体制をどう構築するかが重要ではないかと感じました。最後に退会が無事終了できましたのも、静岡地区幹事や静岡県内の有志の歯科医師、歯科衛生士の方々をはじめ、研究会事務局等にご協力いただいた賜物と存じます。改めてお礼申し上げます。



参加状況

参加人数:AM120名 PM113名
        

【詳細】
  職種別
   AM 歯科医師80 歯科衛生士39 その他1
   PM 歯科医師80 歯科衛生士31 その他2
     


研究会の風景

午前(10時~11時30分) 第8回東海障害者歯科学会認定研修会


演題 「大規模災害における歯科医療従事者の心構え」
講師  河瀬 聡一朗 先生(石巻市雄勝歯科診療所長)





午後(13時~15時)総会および学術大会

シンポジウム
演題 「大規模災害における障がい者への支援」
    我々は誰とつながればいいのか 何をすればいいのか
    
   司会: 服部清先生 コメンテーター:河瀬聡一朗先生
   指定発言者: 杉山智彦 先生(静岡市保健福祉長寿局保健衛生医療部保健医療課)
         江原勝幸 先生(静岡県立大学短期大学部社会福祉学科准教授)
         牧野善浴 先生(静岡市障害者協会会長



午後(15時30分~16時)歯科衛生士の集い


午後(16時~17時30分)懇親会

参加者Voice

静岡県沼津市植松歯科医院
歯科衛生士 黒田 たまき

第8回東海障害者臨床研究会認定研修会、
第10回東海障害者歯科臨床研究会総会および学術集会に参加して

 
 平成30年7月22日(日)に第8回東海障害者歯科臨床研究会認定研修会、第10回東海障害者歯科臨床研究会総会および学術集会に参加させていただきました。
歯科衛生士になり2年目の私は、少しずつできる事も増え、仕事を任されることも多くなってきました。私が勤務する歯科医院は、一般歯科診療のほかに訪問診療も行い、また、日本障害者歯科学会認定医が在籍しており、認定歯科衛生士臨床経験施設ということもあり、障害者の歯科診療に携わることが多くあります。その中で、自分の障害者の方との関わり方や対応、知識は果たして適切であるのかという自信のない気持ちになっていた頃、今回の勉強会へ参加させていただきました。
 午前中は「大規模災害における歯科医療従事者の心構え」というテーマで河瀬聡一朗先生のご講演がありました。東日本大震災から学ぶ、災害時の歯科の役割について教えていただきました。避難所生活での実態・歯科支援活動、避難所には来られない障害者への対応、支援する側・支援される側の備えが重要であることなど、先生ご自身の体験談も交えてのご講演は今後、どの地域でも起こりうる災害に対して、「社会的弱者」を「災害弱者」にしないために歯科医療従事者である私たちはなにをするべきか教えていただきました。
 午後からは「大規模災害における障がいのある人たちへの支援」というテーマで杉山智彦氏、江原勝幸先生、牧野善浴氏によるご講演いただきました。ご講演の中で、印象に残っているのが「リアルHUG」です。災害が起こったと仮定し、避難所の運営役、要援護者役、支援役に分かれて、それぞれ体験をするというものでした。仮定であるものの、リアリティーがあり、自分の住む地域でも訓練があればぜひ参加いたいと思いました。
 また、歯科衛生士の交流会にも参加させていただきました。外部の歯科衛生士の先輩方とお話できる機会は少ないので、自分の職場の話、困っていることや疑問、認定歯科衛生士に挑戦したいことなど時間が足りないくらい盛り上がりました。今回の出会いをきっかけに、自身のモチベーション維持や障害者歯科の発展につながる良い機会になったのではないかと感じました。
 障害者・高齢者歯科に携わる中で、患者のニーズに応えられる歯科衛生士になるためにはまだまだ時間はかかりますが、一歩ずつ成長できるように努力していきたいと思います。今回の学会に参加し、以前、抱いていた不安な気持ちは徐々に薄れ、前向きな気持ちになることができました。感謝いたします。最後に、東海障害者臨床研究会の益々のご発展をお祈り申しあげます。




参加者Voice

 静岡県静岡歯科医師会 総務部理事
災害特別委員会委員長 今村陽一郎

 平成30年7月22日に静岡県コンベンションアーツ(グランシップ)にて行われた第10回東海障害者歯科臨床研究会総会および学術集会に初めて参加せて頂きました。
私は地元歯科医師会において大規模災害における歯科医師の行動計画を約3年かけ作ってきました。行政と共に協議を重ね、又、三師会(医師会、薬剤師会、歯科医師会)とも救護所立ち上げの訓練を行うなど静岡市の医療救護体制を構築してきました。
 しかし、今回の学術集会に参加し、まだまだ大きなたくさんの課題がある事を認識いたしました。社会的弱者(障害者、要介護高齢者、有病者等)が発災と同時に災害弱者となってしまう事は過去の災害から明らかな事である事を学びました。静岡市においても福祉避難所が開設するまでは健常者と共に数日は避難所で生活する事になっていますが本当に現状の体制で大丈夫なのか、地域の理解得られていて協力してもらえるのか、現状では社会的弱者は避難生活も命との戦いになるのでは、と考えます。
 今後は地域で正解な要援護者名簿をアップデートしていき大規模災害時でも地域で支え合える体制の構築は近々との課題であると思います。また地域での福祉避難所運営訓練などは三師会を巻き込んでの定期的な訓練が有効であると考えます。
 今回学んだ事を歯科医師会に持ち帰り、よりいい体制が構築できる様に災害委員会等で協議をしていきたいと思いますが、行政の理解、協力が不可欠であることは間違いのない事実であります。この学会に行政からの参加がほとんどない事はとても残念でした。社会的弱者を災害弱者にしない為に行政はもっと目を向けていかなければならない事をしっかり認識してもらいたいと思いますし、今後は伝えていきたいと思っております。
 最後に東海障害者歯科臨床研究会の益々のご発展をお祈り致します。